私の考えはシンプルです。男子なら今ある3つの選考会(福岡国際、東京、びわ湖毎日)の日本人トップを選ぶ。出場は1レースまで。前年の世界選手権での内定者はなしとする。以上です。毎回と言っていいほどもめるのは、枠に対して選考対象レースが多いことに尽きます。ならば、世界選手権は外すべきです。

 一発選考よりも3レース制を推すのは、それぞれの大会の特徴が五輪本番でも意味を持つからです。コースの特徴、気象条件などで、選手は自分にあっていると思う選考会を選ぶ。そうすれば日本人トップの五輪代表3人は、タイプが違う選手がそろう可能性が高い。スピード型かスタミナ型だけを考えても、本番のレース展開次第では同じタイプをそろえて戦えない事態は回避しないといけない。

 日本人トップの条件の場合はタイムが遅い場合もあるでしょう。しかし、たとえ2時間10分台でも、日本で行う夏のマラソンなら勝負できる。タイム面で世界との差が開いていますが、五輪は別物。特に暑い東京開催ならば、話は別です。それよりも選考レース直後に内定を出すことで、早い段階から本番への準備をすることの方が重要です。

 今回の選考で一番問題だったのは、選考方法がぶれたことです。ロンドン五輪の反省から創設したナショナルチームの優位性がなくなったり、選考基準も一貫ではなかった。東京に向けたリオ五輪後の4年間、1度決めた方針は変えずに母国開催に向けてやり抜くことが鍵になると思います。