全日本実業団対抗女子駅伝は27日、宮城県松島町文化観光交流館前~仙台市陸上競技場の6区間42・195キロで行われる。昨年5位の積水化学は得意種目の異なる4人を擁して上位進出を狙う。

 積水化学の強みは5000メートルリオ五輪代表の尾西美咲(31)が、1区(7キロ)3区(10・9キロ)5区(10キロ)の主要区間を走らなくても十分に戦えることだ。その主要3区間を任されるのが松崎璃子(23)森智香子(24)桑原彩(23)の同学年トリオだ。

 森は3000メートル障害でリオ五輪代表に迫った選手で、昨年の大会では6区(6・795キロ)で区間賞を獲得した。シーズン後半は5000メートルで昨年よりも一段階上の力を示し、今年は1区の区間賞候補に躍り出た。「同学年の3人で流れを作りたい。チームに役立つならどの区間でも行きますが、1区なら必ず上位で2区以降につなぎます」と力強く話す。

 1万メートルの今季タイムは松崎がチームナンバー1。2年前のアジア大会5000メートルでは5位入賞の実力者で、3区を走れば他チームのエースに対抗できる。さらに桑原は初マラソンだった3月の名古屋ウィメンズで2時間25分9秒の6位と好走。入社直後にはトラックで一気にタイムを伸ばすなど、スピードもある。マラソンに取り組んだことで、単独走になることが多い後半の5区で力を発揮しそうだ。

 尾西は「駅伝は苦手なので」と公言しているが、日本選手権5000メートル4連覇のスピードは他チームの脅威となる。2区(3・9キロ)で尾西が快走すれば、積水化学が優勝戦線に入り込む可能性は高い。