ゴールが東京駅前に変更され、より平たんとなった新コースで、前世界記録保持者のウィルソン・キプサング(34=ケニア)が2時間3分58秒をマークし優勝した。国内最高記録は09年福岡国際でケベデ(エチオピア)が樹立した2時間5分18秒。国内のレースでは初の2時間3分台をマークした。

 レース前、キプサングは世界記録を超える2時間2分50秒を狙うと宣言。7人のペースメーカーのうち、ケニア人3人が先頭集団を先導するが、設定タイムが国内レース過去最高の1キロ2分54秒から55秒に決定。公式記録上では81年福岡国際以来となる国内マラソンレースでの世界最高記録への夢が膨らんでいた。

 レースはキプサング、チュンバら外国人招待選手をペースメーカーが引っ張り、5キロ14分14秒(設定タイム14分30秒~35秒)、10キロ28分50秒(同29分0秒~10秒)、15キロ43分33秒(同43分30秒~45秒)のハイペースで展開。

 その後も20キロ58分5秒(同58秒0~20秒)、中間点も1時間1分21秒、25キロ1時間12分48秒(同1時間12分30〜55秒)、30キロ1時間27分27秒(同1時間27分0〜30秒)と世界最高ペースを維持。ペースメーカーが外れ、先頭はキプサング、チュンバの2人になった。

 35キロ地点。キプサングは1時間42分26秒で通過したが世界最高ペースからは39秒遅れた。37キロ過ぎに独走となったキプサングは40キロを1時間57分29秒で通過。最後の力を振り絞り2時間3分58秒でゴールした。キプサングはマラソン9度目の優勝を果たした。

 日本勢は井上大仁が(24=MHPS長崎)2時間8分22秒で日本勢トップの8位。山本浩之(30=コニカミノルタ)が2時間9分12秒で10位(日本人2位)、序盤から飛ばした設楽悠太(25=ホンダ)は2時間9分27秒で11位(同3位)だった。