<陸上:日本選手権混成競技>◇最終日◇5日◇神奈川・川崎市等々力陸上競技場

 男子10種競技は右代啓祐(24=スズキ浜松AC)が8076点(追い風参考記録)で優勝。公認記録は8073点で日本人初の8000点と世界陸上B標準を突破して盛り上がったが、その陰でこの種目の功労者でもある田中宏昌(29=モンテローザ)が7558点で2位、池田大介(25=富士通)は7489点で3位だった。

 田中は00年代中盤以降、日本の第一人者として10種競技を引っ張ってきた。06年アジア大会、07年世界陸上と国際舞台で孤軍奮闘した。右代と同学年のライバルである池田は09年の世界陸上代表で、国際舞台で自己新と大健闘した。2人の頑張りが右代を刺激しただけでなく、10種競技の強化システムを確立することになったという。

 2人もこのまま引き下がるつもりはない。来月のアジア選手権で優勝すれば、世界陸上代表への道も開ける。池田は「8000点を先に出されて悔しいですけど、意外と冷静でいられました。早く右代に追いつき、世界舞台で一緒にやりたいですね」と今後を見据えていた。