<陸上:大阪選手権>◇26日◇長居陸上競技場など

 左アキレスけんの痛みが長引き、3月の東日本大震災も重なった今季の出遅れを取り戻した。女子400メートル障害で第一人者、久保倉里美(29=新潟アルビレックス)が、55秒34の日本新記録で優勝した。「スピードにハードリングがかみ合えば必ず結果は出る」との言葉通り、世界選手権A標準も突破した。

 震災と原発事故の影響で、練習拠点の福島大でスピード練習を開始できたのは5月に入ってからだ。「不安な日々もあった」と語る。5連覇した日本選手権から2週間。指導する川本監督も「急きょチャレンジしてよかった。最高のステップになる」と喜んだ。

 今季は震災もあり「とにかく結果で支えてくれた人々に感謝を伝えたい」との思いが強い。急ピッチでハードル練習を重ね、夏に向かって上り調子になってきた。川本監督は世界の舞台を見据え「54秒台も頭にある。できれば決勝に残りたい」と目標を掲げた。