<陸上:全日本実業団対抗選手権>◇最終日◇25日◇徳島・大塚スポーツパークポカリスエットスタジアム

 北京五輪男子400メートルリレー銅メダリストの塚原直貴(26=富士通)が完全復活を果たした。今季は右アキレスけんの故障で6月の日本選手権を欠場し、世界陸上代表から外れていた。昨日の200メートルで復帰して5位となったが、本日の100メートルは10秒27(追い風参考記録)で優勝。スタート直後にバランスを崩したがすぐに持ち直して中盤で前に出ると、後半も2位以下を引き離して完勝した。「やっぱり勝つのは気持ち良いですね。昨日の200メートルから続いて今日の予選、準決勝、決勝と、ターボがかかったようにレースの感覚がよみがえってきました」。

 男子100メートルは世界陸上の標準記録を誰も破ることができず、日本代表を派遣できなかった。400メートルリレーは予選落ちして2000年から続いていた五輪&世界陸上の連続入賞が途切れた。塚原不在も影響していたのは確かだろう。「自分の役割、責任を再確認しました。世界陸上代表のみんなには迷惑をかけたと思いますが、すべては来年のロンドン五輪のため。この後はオフにする予定でしたが手応えがあったので、もう1試合して、あわよくば五輪標準記録(Aが10秒18、Bが10秒24)を破りたい」。日本のエースが再び戦闘モードに入った。