<陸上:全日本実業団対抗選手権>◇最終日◇25日◇徳島・大塚スポーツパークポカリスエットスタジアム

 女子100メートルは実業団1年目の高橋萌木子(22=富士通)が11秒42(追い風参考記録)で優勝した。前日の200メートルと合わせて短距離2冠を達成した。「まさか2種目で勝てるとは思っていませんでした」と高橋自身は驚いた様子。自己記録は2種目とも日本歴代2位で出場選手中では一番だが、今季は調子が上がらずに苦しんでいた。また世界陸上400メートルリレーに2走で出場したため、7~8月はスターティングブロックからスタートする練習をしていなかった。今日ももともと不得意だったスタートで大きく出遅れてしまった。

 しかし中盤でトップに並ぶと、得意の後半で一気に前に出て快勝した。「久しぶりに持ち味の後半を出すことができました。少しずつ自分を取り戻せているので、来年のロンドン五輪は個人種目でも出られるように頑張りたいです」。笑顔の戻った高橋への期待は大きい。