<山口国体>◇10日目◇10日

 成年男子やり投げは世界陸上代表だった村上幸史(31=スズキ浜松AC)が79メートル08で8回目の優勝を飾った。「愛媛のために最低限の仕事ができたのは良かった」と言いながらも、浮かない表情だった。

 村上は連続メダル獲得も期待されていた世界陸上で予選落ち。帰国後初の試合でどれだけ立ち直っているかが注目されたが、今季初めて80メートルを割る記録に終わった。「いろいろな不安を持って臨んだ大会でした。復調はまだ6割。世界で戦うための確固たる自信は戻っていません」。

 明るい材料がなかったわけではない。1、2投目は70メートル前後しか投げられなかったが、3投目に「開き直って自分の体に任せて投げた」ところ、80メートルラインに迫ることができた。「吹っ切れた部分もあります」。

 「どうしても結果を残したい」というロンドン五輪に向けて、モチベーションを高めて冬季練習に入っていけそうだ。