<陸上:兵庫リレーカーニバル>◇最終日◇22日◇神戸ユニバー記念競技場

 「金髪のルーキー」が女の戦いを制した。女子1万メートルは、昨年の大邱世界選手権5000メートル代表の新谷仁美(24=ユニバーサルエンターテインメント)が、五輪A標準記録(31分45秒)を突破する31分28秒26で優勝した。3000メートル手前で約30メートル前を走っていたチェピエゴ(九電工)に追い付くと、5000メートル過ぎからは独走。人生初の1万メートルレースを右手にVサイン、会心の笑顔で制した。

 ゴールすると白のスパイクを脱いだ。スタンドに向かって「いる人」と問い掛け、手を挙げた観客へプレゼント。髪の毛は3月中旬に「表参道のおしゃれな美容室」で染めたという金色だった。「長距離は短距離に比べて華やかさが足りないかな、と思って。目立ってたでしょ?

 女受けはいいんですけど、男性にはねえ」と苦笑した。

 名将・小出義雄氏に指導を仰ぐが、最近は独自に練習メニューを考える。ロンドン五輪は「キツイから(400メートルトラック)12周半で許してください」と、こちらもA標準をクリアしている5000メートルで目指す予定。前所属先は3月末で退社し、4月から現所属先へ変わった。練習環境は変わっていないが、新谷は「新入生です。かわいがってください」とペコリと頭を下げていた。