陸上の織田幹雄記念国際(28、29日、広島広域公園陸上競技場)のフィールド種目では男子やり投げの村上幸史(32=スズキ浜松AC)のシーズンインに注目したい。2009年に世界陸上銅メダルを獲得。その頃から、シーズン初戦でもしっかりと記録を出せるようになった。本人が目標とするのは「85メートル以上」。それを投げられれば、五輪本番でのメダル獲得も視野に入ってくる。

 85メートル以上の記録を持つ外国人選手も2人参加。「最初からガンと行きますよ」と村上の闘志に火がついている。

 もう1人注目したいのが若手のディーン元気(20=早大3年)。4月15日の東京六大学で79メートル60と五輪B標準を突破した。しかし村上がすでにA標準(82メートル00)を突破しているため、A標準を投げないと代表入りは難しい。ロンドン五輪は父親の母国イギリスでの開催とあって思い入れは強い。ディーンは「織田記念でA標準を投げます!」と宣言している。

 男子棒高跳びは第一人者の沢野大地(31=富士通)が4月21日に5メートル72と五輪A標準を突破。沢野自身に助走が安定している手応えがあり、7年ぶりの5メートル80台も期待できそう。荻田大樹(24=ミズノ)も今年に入って5メートル60のB標準を2試合で跳ぶなど力をつけてきた。沢野が5メートル60でもたつくようだと、勝負もどう転ぶかわからない。