陸上のダイヤモンドリーグ(※)第1戦、ドーハ・ミーティングが現地時間の11日、カタールの首都ドーハで開催される。男子800メートルのデービッド・ルディシャ(23=ケニア)ら世界記録保持者、女子やり投げのマリア・アバクモワ(26=ロシア)ら昨年の世界陸上金メダリストが多数参加。五輪イヤーの本格的なトラック&フィールド競技会の幕開けとなる。

 ルディシャは一昨年に1分41秒01の世界記録を樹立し、昨年は世界陸上でも優勝した800メートルの第一人者。ダイヤモンドリーグも創設された2010年、昨年と年間チャンピオンに輝いた。「シーズン序盤にドーハで走るのは、その年に世界記録を破ったり、世界陸上で優勝するための定番プログラムになっている。今年は順調に練習が積めているのでドーハで走るのが楽しみ。シーズンの最後にダイヤモンドリーグの年間優勝者になることも狙っている」

 ルディシャは記録の目標は明言していないが、2010年はドーハで1分43秒00で走り、8月の世界記録につなげている。2年前の記録がひとつの目安となるだろう。

 男子100メートルはウサイン・ボルト(25=ジャマイカ)こそ出場しないが、前世界記録保持者のアサファ・パウエル(29=ジャマイカ)と、アテネ五輪金メダリストのジャスティン・ガトリン(30=アメリカ)が対決する。ボルトが5日のジャマイカ国際でマークした9秒82を上回れるか。

 女子100メートルはヴェロニカ・キャンベル・ブラウン(29=ジャマイカ)とアリソン・フェリックス(26=アメリカ)のライバル対決となる。専門種目は200メートルの2人。アテネ五輪以後の五輪、世界陸上では金メダル獲得が3個ずつと全く五分の対戦成績だ。だが、フェリックスが400メートルと兼ねるロングスプリンターなのに対し、ブラウンはショートスプリンターで世界陸上100メートルに勝ったこともある。ブラウン有利だが、フェリックスも6日のゴールデングランプリ川崎では100メートルで快勝した。フェリックスの勢いがどこまでブラウンに通用するか。

 その他にも男子では400メートルのラショーン・メリット(25=アメリカ)、円盤投げのゲルト・カンテル(33=エストニア)、女子では800メートルのパメラ・ジェリモ(22=ケニア)、400メートルハードルのメライン・ウォーカー(29=ジャマイカ)ら、五輪と世界陸上の金メダリストが多数参加する。※ダイヤモンドリーグはIAAF(国際陸上競技連盟)が主催する最高カテゴリーの競技会シリーズ。今季はドーハ大会を皮切りに9月のブリュッセル大会まで全14戦が開催される。各大会の種目別優勝賞金は1万ドル(2位6000ドル…8位1000ドル)。各大会のポイント合計で争われる年間優勝者には4万ドルとダイヤモンド入りトロフィーが贈呈される。出場者はトップ選手に厳選され、ほとんどの種目が予選なしの一発決勝。緊張感あるレースが次々に行われる。また、オリンピックや世界陸上のように1国3人という出場人数の制限がない。ジャマイカ、アメリカ勢が揃う短距離種目や、アフリカ勢が揃う中・長距離種目などは、オリンピックや世界陸上よりも激しい戦いになる。