陸上のダイヤモンドリーグ(※)第3戦のゴールデンガラが31日、ローマのオリンピックスタジアムで行われる。女子5000メートルには昨年のテグ世界陸上優勝者のビビアン・チェルイヨット(28=ケニア)、女子やり投げに世界記録保持者のバーバラ・シュポタコワ(30=チェコ)とテグ世界陸上優勝者のマリヤ・アバクモワ(26=ロシア)と、豪華メンバーが出場する。

 女子5000メートルのチェルイヨットも注目度の高い選手。昨年のテグ世界陸上は5000メートルと1万メートルで2冠を達成した。昨年14分20秒87の世界歴代3位をマークしたときは風が強い悪コンディションだった。「天候とペースメイクに恵まれれば世界記録(14分11秒15)への挑戦も可能」と話す。

 世界歴代2位(14分12秒88)を持つメセレット・デファー(28=エチオピア)がライバルとなる。2004年のアテネ五輪金メダリストで、自己記録も2008年に出したもの。最近は少し力が落ちているが、五輪イヤーには調子を上げてくる選手だけに侮れない。

 女子やり投げも白熱した戦いになりそう。72メートル28の世界記録保持者のシュポタコワに対し、71メートル99の世界歴代2位を持つアバクモワ。その差はわずか29センチだ。

 昨年のテグ世界陸上ではアバクモワが41センチ差で優勝し、今季のダイヤモンドリーグ第1戦ドーハ大会(5月11日)でも69センチ差でアバクモワが勝った。シュポタコワがどう巻き返すか。ローマでも激戦となりそうそうだ。

 女子800メートルでは北京五輪金メダリストのパメラ・ジェリモ(22=ケニア)と、2009年ベルリン世界陸上優勝者のカスター・セメンヤ(21=南アフリカ)の対決が実現する。

 ジェリモは北京五輪後に低迷したが、今季復活してきた。3月の世界室内に優勝し、ドーハ大会でも今季世界最高で快勝。セメンヤは性別疑惑も晴れ、徐々に調子を上げている。

 その他にも男子走り高跳びテグ世界陸上優勝者のジェッセ・ウィリアムズ(28=アメリカ)、棒高跳びで6メートルが期待できるレナウド・ラビルニー(25=フランス)、女子1500メートルのゲゼベ・ディババ(21・エチオピア)らに好記録が期待できそうだ。

 ※ダイヤモンドリーグはIAAF(国際陸上競技連盟)が主催する最高カテゴリーの競技会シリーズ。今季はドーハ大会を皮切りに9月のブリュッセル大会まで全14戦が開催される。各大会の種目別優勝賞金は1万ドル(2位6000ドル…8位1000ドル)。各大会のポイント合計で争われる年間優勝者には4万ドルとダイヤモンド入りトロフィーが贈呈される。出場者はトップ選手に厳選され、ほとんどの種目が予選なしの一発決勝。緊張感あるレースが次々に行われる。また、オリンピックや世界陸上のように1国3人という出場人数の制限がない。ジャマイカ、アメリカ勢が揃う短距離種目や、アフリカ勢が揃う中・長距離種目などは、オリンピックや世界陸上よりも激しい戦いになる。