<陸上:ダイヤモンドリーグ第12戦:バーミンガムグランプリ>◇26日◇バーミンガム

 地元の観衆を一番わかせたのは、ロンドン五輪で5000メートルと1万メートルの2冠となったモー・ファラー(29=イギリス)だった。通常はあまり実施されていない2マイル(3218メートル)への出場だったが、いつもと同じ強さを見せ、ラスト200メートルでスパートすると後続を一気に引き離した。

 ロンドン五輪では妊娠中の夫人がトラックに降りてきて一緒に喜んでいたシーンが印象的だったが、その夫人が双子の女の子を今大会2日前に出産した。

 「ロンドンの病院にも行ったしイージーな週ではなかったよ。今日の結果も簡単に達成できたわけではない」

 スローペースのため優勝記録は8分27秒24と世界最高記録から30秒近く遅れたが、地元観衆はファラーの勝利を見られて満足したようだ。

 イギリス勢では男子走り高跳びのロバート・グレーバーズ(24)も2メートル32で優勝した。ロンドン五輪のイワン・ウホフ(26=ロシア)と北京五輪のアンドレイ・シルノフ(27=ロシア)、2人の五輪金メダリストを破り観客を驚喜させた。

 「勝つためにここに来たんだ。今後はイギリス記録(自身の持つ2メートル37)も更新しないとね」

 地元五輪でイギリスの陸上界に勢いがついた。