<陸上:ダイヤモンドリーグ第13戦チューリヒ国際>◇30日◇スイス・チューリヒ

 女子3000メートル障害はドラマが一転、二転した。今大会前のダイヤモンド得点争いトップはミルカ・チェモス(26=ケニア)。シーズン前半はダイヤモンドリーグで3連勝したが、ロンドン五輪は4位と調子を崩し、8月17日のストックホルム大会は途中棄権に終わっていた。

 最終戦の今大会は先頭を走るいつものスタイルではなく、集団に待機して慎重にレースを進めた。勝負に徹した走りをしていたチェモスだが、残り1周手前の障害にひざをぶつけて転倒。起き上がって走り始めたが10番目のフィニッシュで、ポイントのつく3位以内に入ることはできなかった。

 トップでフィニッシュしたのはポイント争いで2位につけていたソフィア・アセファ(24=エチオピア)。エチオピア勢にとってこの種目今季初のダイヤモンドリーグ優勝で、2位のエティネシュ・ディロ(21=エチオピア)らと喜び合った。年間ポイントもチェモスを逆転し二重の喜びにひたった。

 しかし、最後の水濠手前でアセファがコースをショートカットしたことが判明して、優勝から一転して失格の憂き目に。チェモスはポイントこそ変わらないが、ここまでの貯金が生きて3年連続年間チャンピオンに輝いた。「家族のために賞金が必要」という苦労人ランナーが4万ドルを獲得した。