<岐阜国体:陸上>◇9日目◇7日◇岐阜長良川競技場

 成年男子800メートルは日本記録保持者の横田真人(24=富士通)が1分48秒28の大会新で優勝。最初から先頭に立って押し切る横綱レースで、この種目で44年ぶりに五輪代表となった実力を見せつけた。

 国体は勝負最優先の大会。1周目(400メートル)を54~55秒と遅めに入って勝つレースに徹する方法もあったが、横田は52秒で入った。「日本新を狙える体調に仕上げられたわけではありませんが、コンディションが良くないときでも自分のベストの走りに近づけたい。正直、迷いましたが次につながるレースをしないと後悔すると思い、52秒で入りました」。

 400メートル通過では日本記録の可能性もあったが、バックストレートの向かい風が強く、400メートルから600メートルまででペースダウンした。「風を言い訳にはしたくありません。どのみちラストは動いていませんでした。次への課題として、中盤をもうワンランクアップさせる必要性を再認識できました」

 オリンピックを経験したことで「次にやるべきこと、やりたいことが明確になった」と言う。来年1月から練習拠点をアメリカに移す。今年も2カ月間アメリカでトレーニングを行ったが、来季は1年の半分以上を滞在することになりそうだ。中距離界全体の強化にも、斬新なアイデアを選手側から提案をしていくという。

 44年ぶりの五輪出場が、横田自身のさらなる成長と、停滞していた日本中距離界の活性化につながりそうだ。