実業団女子駅伝西日本大会が10月28日、福岡県宗像市役所を発着点とする6区間42・195キロのコースで行われる。5位までと、2時間23分以内のチームが12月に宮城県で開催の全日本実業団対抗女子駅伝に駒を進められる。

 昨年の全国大会で10位以内に入った天満屋、ワコール、ダイハツ、京セラの争いになりそう。

 天満屋は重友梨佐(25)がロンドン五輪マラソン代表となったが、本番では79位と惨敗。故障の影響もあり準備不足の状態で出場したのが原因だった。帰国後初レースとなるが、どこまで復調しているかが注目される。重友と並ぶエースの中村友梨香(26)も、2009年世界陸上1万メートルで7位入賞した後の長期低迷から脱出の糸口を見つけたい。

 チーム全体が調子の上がっていない状態だが、駅伝になると勝負強いのが天満屋。侮れない存在だ。

 ワコールは福士加代子(30)が11月のニューヨークシティマラソン出場を控え、今駅伝に出るかどうかは微妙な状況。1月の大阪国際女子マラソンは9位で五輪代表を逃したが、得意のトラックではロンドン五輪1万メートルで10位と健闘した。福士が出場してくればワコールも優勝候補の一角となる。

 ダイハツはロンドン五輪マラソン16位(日本人1位)だった木崎良子(27)と、名古屋ウィメンズマラソン3位(日本人2位)の中里麗美(24)の二枚看板が強力。2009、10年と今大会を連覇した実績もある。「ダイハツが本命」という声が、ライバルチームの監督からも挙がっている。

 伏兵的な存在が京セラだ。宮内洋子(29)、宮内宏子(29)の双子姉妹が今季好調で、姉の洋子は札幌国際ハーフマラソンで2位、妹の宏子は日本選手権1万メートルで7位などシーズンを通じて安定した走りを見せている。さらに光延友希が全日本実業団1万メートル13位とトップレベルに浮上した。ここ数年あまり注目されていなかったが、今年は優勝争いに加わる力をつけている。

 上記チーム以外では野口みずき(34=シスメックス)と萩原歩美(20=ユニクロ)の走りに注目したい。

 4年4カ月ぶりのマラソンとなった3月の名古屋で6位となった野口は、その後ひざの鵞足炎で試合から遠ざかっていたが、9月30日のハーフマラソン(ポルトガル)に1時間12分20秒(4位)で復帰した。

 国内レースは7カ月ぶりとなる。この駅伝でしっかり走ることができれば、来年のモスクワ世界陸上選考マラソンに出場するめどが立つ。

 萩原は9月の全日本実業団1万メートルで福士や、1500メートル日本記録保持者の小林祐梨子(23=豊田自動織機)というビッグネームと競り合って一躍脚光を浴びた。高卒2年目の新鋭がエース区間の区間賞を取る可能性もある。