<実業団女子駅伝西日本大会>◇28日◇福岡県宗像市役所発着6区間42・195キロ

 野口みずき(34=シスメックス)は3月の名古屋ウィメンズマラソン(6位)後、ひざの故障でレースに出られなかったが、9月末にポルトガルでハーフマラソンに出場。今大会が国内復帰戦となった。3区で福士加代子(30=ワコール)に引き離され、「久しぶりの駅伝は楽じゃありませんね」と言いながらも、33分03秒で区間2位の走りに納得した表情を見せた。

 ひざはまだ少し気になるが、北京五輪欠場に追い込まれた左脚座骨付着部の肉離れはまったく気にならなくなっている。「今日負けたことで、さらに燃えるものが出てきました。全日本実業団対抗女子駅伝で良い走りができればマラソンにはずみになると思う」。

 ロンドン五輪に出ていたら?

 という質問には「私の性格を考えたら、25キロ以降で前に出ていたと思います。見ていてちょっと歯がゆさも感じました」と、世界でもう一度戦う気概は衰えていない。

 その一方で34歳になり「練習しているときは感じないけど、練習後に張りを強く感じたり」と年齢も実感するようになっている。「まだまだやめませんけどね」と前置きして次のように話した。「引退会見で何を言おうか考えることもあるんです。脚が壊れたりして、もう走れないと思ったときに引退すると思っていましたが、(少しニュアンスが変わってきて)満足できるとき、精一杯やったんだと思えたら引退すると思います。自分の競技人生が最高だったと言えるようにしたい」。

 3月の名古屋で4年4カ月ぶりにマラソン復帰を果たし、「やっとここまで戻ってこられた。4年間の努力は報われたかな」と涙を流した。だが、準備過程で脚に不安があり思い切り練習ができなかった。レース中にも一度ヒザに力が入らない状態になり、終盤で持ち直したが不完全燃焼だった思いも拭えない。「次のマラソンは私らしく、強気の練習をして、強気のレースができるようにしたい」。

 今後の野口は、自身の競技人生の最後も意識しながら渾身の挑戦をしていく。順調にいけば1~3月の国内マラソンに出場する可能性がある。