第52回中部実業団対抗駅伝が11月18日、昨年までの岐阜県下呂市から愛知県田原市に場所を移し、7区間85・7キロのコースに10チームが参加して行われる。上位7チームがニューイヤー駅伝(全日本実業団対抗駅伝)への出場権を得る。

 ニューイヤー駅伝優勝候補のトヨタ自動車の戦いぶりと、高林祐介(25=トヨタ自動車)の復調ぶりが注目される。

 高林は2年前のニューイヤー駅伝3区で8人抜きの快走(区間新)でトップに立ち、トヨタ自動車の初優勝に貢献した。1万メートルでも27分台で走り日本代表も狙える力をつけたが、昨年のテグ世界陸上、今年のロンドン五輪と代表入りを逃している。

 駅伝の地区予選はテスト的な選手起用も多いので、出場区間ははっきりしない。新コースは17・4キロの4区が最長区間だが、トヨタ自動車の佐藤敏信監督(50)は「3区(10・0キロ)でリードするかもしれない」と話している。4区までが追い風となるコースで、高林の今季1500メートル日本2位のスピードを生かすとしたら、3区か4区の可能性が高い。

 いずれにせよ、区間2位に大差をつけることが復調の目安となる。高林が復活すれば、日本選手権1万メートル3位の宮脇千博(21)と“ダブルエース”となり、ニューイヤー駅伝V奪回に大きく近づく。

 トヨタ自動車は福岡国際マラソンに出場する尾田賢典(31)と外丸和輝(25)も「長い区間候補」(佐藤監督)。入社2年目の大石港与(24)、21歳の松本賢太と10キロ強の区間で力を発揮する選手も多い。2位に大差をつける可能性も十分ある。

 トヨタ紡織も好調な選手が多い。特に、昨年の東京電力廃部に伴い移籍した椎谷智広(26)が10月に28分19秒22と1万メートルで好タイムをマーク。チームの起爆剤となっている。ダークホースがNTNで、3000メートル障害日本選手権優勝の山下洸(24)らスピードランナーが多い。

 トヨタ自動車にミスがあれば、トヨタ紡織やNTNがつけいることができる。