<陸上:日本選抜和歌山兼モスクワ世界陸上代表選考競技会>◇27日◇和歌山市紀三井寺公園陸上競技場

 男子10種競技は前半の5種目が行われ、ロンドン五輪400メートル障害代表だった中村明彦(22=スズキ浜松AC)が4104点でトップに立った。日本記録保持者でロンドン五輪代表の右代啓祐(26=スズキ浜松AC)は3823点で4位。

 ラン種目と跳躍種目を得意とする中村は初日に強く、トップに立ったのは予想通りだが自己新の種目がなかった。

 「全体的にパッとしませんでしたが、最低限取るべき点数は取れています。底力は上がったと思う。シーズン初戦としては悪くありません」と、納得した表情。初日の5種目合計得点の自己記録にも16点と迫った。

 後半次第では、右代に初めて勝つことも可能な位置につけている。

 「勝つことにこだわるよりも目の前の1つ1つの種目で、課題をクリアして記録を出していくことが大事です」

 明日の2日目は苦手とする投てき種目が2つある。そこで崩れずに持ちこたえられれば、7710点の自己記録更新は射程圏内。結果的に日本記録保持者から初勝利を挙げる可能性もある。

 一方の右代は自身の日本記録(8073点)のときの初日から100点以上のマイナス。走り高跳びが1メートル96にとどまるなど、全体的に低調だった。

 「走り高跳びでは体が突っ込んでしまったところを修正できなかった。そこでしっかりと跳べれば次の400メートルも走れたと思うのですが、切り換えられなかったのが反省点です」

 2日目は得意とするパワー系種目が多い。

 「今日も全体的な調子としては良かったので、得意の後半で巻き返したい。焦らずに、得点できるところでしっかりと稼ぎますよ」

 明日はスズキ浜松ACの先輩後輩対決が白熱しそうだ。