<ジャマイカ国際招待展望>

 国際陸連が指定したワールドチャレンジミーティング第2戦、ジャマイカ国際招待が4日、同国首都のキングストンで開催される。ロンドン五輪男子100メートルと200メートルで金銀メダルを占めたウサイン・ボルト(26)とヨハン・ブレイク(23)が出場を予定していたが、2人とも故障で欠場することに。それでも女子短距離を中心に、世界のトップ選手が多数出場する。

 注目は女子短距離の五輪金メダリスト3人。

 100メートル五輪2連覇のシェリー・アン・フレイザー(26=ジャマイカ)が今大会は200メートルに出場する。

 小柄なフレイザーはスタートから前半の走りで他を圧倒するのが勝ちパターンの選手。後半でカルメリータ・ジーター(33=米国)に追い込まれることが多く、200メートル向きではないと思われていた。今回の200メートル出場も、100メートルの後半強化のためと思われる。

 だが、ロンドン五輪後に「数年後には今の100メートルより良い200メートルランナーになれると思う」と話していた。今大会で22秒前後で走ることができれば、フレーザーの希望もあながち夢ではなくなる。

 ロンドンで200メートルを制したアリソン・フェリックス(27=アメリカ)と、アテネ&北京と200メートル連続金メダルのベロニカ・キャンベル・ブラウン(30=ジャマイカ)は100メートルに出場。新旧女王対決が注目されている。

 100メートルではブラウンに分があるが、昨年5月のドーハでの対戦はフェリックスが10秒92の自己新で勝ち、ロンドン五輪金メダルにつなげた。今季もシーズンの行方を占うレースとなるか。

 個人レース初出場のフェリックスは「ジャマイカに来たのは世界ジュニア選手権以来11年ぶり。ここでシーズンインすることに興奮しているわ」と話している。

 ビッグ2は欠場するが、2つの短距離王国の選手が出場する男子短距離は有力選手が多い。100メートルには世界歴代5位の9秒78を持つネスタ・カーター(27=ジャマイカ)ら9秒9未満の選手が複数出場する。