陸上のダイヤモンドリーグ第1戦のドーハダイヤモンドリーグが10日、カタールの首都ドーハで開催される。男子800メートル世界記録保持者のデービッド・ルディシャ(24=ケニア)らロンドン五輪金メダリスト8人が開幕戦を飾る。

 最大の注目は男子800メートルのルディシャとモハメッド・アマン(19=エチオピア)の対決だ。

 ロンドン五輪はルディシャがスタート直後からハイペースで飛ばし、1分40秒91の世界新記録で優勝。食い下がろうとしたアマンは最後に失速して6位と完敗した。

 だが、8月末のダイヤモンドリーグ・チューリッヒ大会はアマンが雪辱。世界記録更新を狙って飛ばしたルディシャが終盤ペースダウンし、アマンが最後の直線で抜き去った。1分42秒53の自己新でルディシャに0.28秒差をつけた。

 ダイヤモンドリーグはペースメーカーが付くので、ルディシャが先頭に出るのは2周目のバックストレートか。アマンは3~5メートル内で食い下がり、最後の直線勝負に持ち込みたい。

 アマンの他にもロンドン五輪銅メダルのティモシー・キトゥム(18=ケニア)も出場する。

 ルディシャは「アフリカから有望な若手が何人も現れてレベルが上がっている。だから俺もハードなトレーニングをしてきた」と、シーズン初戦に緊張感をもって臨む。

 女子200メートルのロンドン五輪金メダリスト、アリソン・フェリックス(27=米国)は400メートルに出場。この種目のロンドン五輪銀メダルのクリスティン・オフルオグ(28=英国)、2年前の世界陸上優勝者のアマントル・モンショー(29=ボツワナ)と対決する。

 他にも男子では三段跳びのクリスチャン・テイラー(22=米国)、砲丸投げのトーマス・マイェフスキ(31=ポーランド)、やり投げのケショーン・ウォルコット(20=トリニダードトバゴ)の3人のロンドン五輪金メダリストが出場する。女子では走り幅跳びのブリットニー・リーズ(26=米国)、円盤投げのサンドラ・ペルコビッチ(22=クロアチア)の2人がエントリーした。また、100メートル連続金メダルのシェリー・アン・フレイザー・プライス(26=ジャマイカ)は200メートルに出場予定だ。

 男子走り高跳びに出場する地元カタールのムタス・エッサ・バルシム(21)も注目度が高い。昨年2メートル39のアジアタイをマークした192センチの長身ジャンパー。屋外では2000年を最後に途切れている2メートル40台が期待されている。

 ◆ダイヤモンドリーグはIAAF(国際陸上競技連盟)が主催する最高カテゴリーの競技会シリーズ。今季はドーハ大会を皮切りに9月のブリュッセル大会まで全14戦が開催される。各大会の種目別優勝賞金は1万ドル(2位6000ドル~8位1000ドル)。各大会のポイント合計で争われる年間優勝者には4万ドルとダイヤモンド入りトロフィーが贈呈される。出場者はトップ選手に厳選され、ほとんどの種目が予選なしの一発決勝。緊張感あるレースが次々に行われる。また、オリンピックや世界陸上のように1国3人という出場人数の制限がない。ジャマイカ、アメリカ勢が揃う短距離種目や、アフリカ勢が多数出場する中・長距離種目などは、オリンピックや世界陸上よりも激しい戦いになる。