<陸上:実業団女子駅伝中日本大会>◇20日◇岐阜県庁発着6区間42・195キロ

 小林祐梨子(24=豊田自動織機)は5区で区間2位。8秒差でタスキを受けたが、同学年の高島由香(25=デンソー)に57秒差まで引き離された。

 感想を求められると「高島がめっちゃ良かった。キャプテン同士の対決が勝敗を左右しましたね。全国も私次第じゃないですか。自分にプレッシャーをかけます」と、努めて明るく答えた。

 小林は800メートルの中学チャンピオンで、高校時代に1500メートルで日本記録を2度更新。20歳で出場した2009年ベルリン世界陸上5000メートルで11位と、世界の扉をノックした。

 だが、その後は故障が多くなり、2011年以降の世界陸上とオリンピックの代表には入っていない。頭打ち状態を打破するために昨年から1万メートルにも取り組み始め、全日本実業団対抗女子駅伝でも3区(10・9キロ)を区間4位で走った。

 豊田自動織機の長谷川重夫監督は須磨学園高で小林を育てた指導者で、中距離的な練習を高校駅伝に導入して結果を出した。

 「5000メートルのスピードを取り戻す方向でやっています。それができないと1万メートルでも通用しませんから。今年は小林の練習拠点を米国に移して、全て向こうのコーチのメニューでやっています。8月まで座骨神経痛で休んでいたので今はまだリハビリ的なトレーニングですが、12月の全日本(実業団対抗女子駅伝)に向けた練習も米国でやります。今後、どう変わっていくか私も興味がある」

 早熟型選手の小林がどういうやり方で壁を突き破るか。成功すれば日本の長距離界にとっても強化の道筋が増えることになる。