<陸上:東日本実業団対抗駅伝>◇3日◇さいたま市~熊谷スポーツ文化公園陸上競技場(7区間、77・5キロ)

 コニカミノルタが3時間44分45秒の大会新記録で2年連続7回目の優勝を飾った。2位に日清食品グループ、3位に富士通と続き、前回予選落ちを喫したヤクルトが4位と立て直してきた。廃部となったエスビー食品の選手を受け容れて初出場したDeNAが5位。13位の南陽市役所までが元旦のニューイヤー駅伝出場権を得た。

 コニカミノルタは最長区間の2区で、モスクワ世界陸上1万メートル代表だった宇賀地強(26)が富士通と同タイムの2位で中継。区間賞こそ同じ世界陸上代表だった佐藤悠基(26=日清食品グループ)に2秒差で譲ったが、エースの役割をしっかりと果たした。

 3区のポール・クイラ(23)が区間賞でトップに立つと、4区の野口拓也(25)、5区の松宮隆行(33)と3連続区間賞で2位以下を大きく引き離した。7区の谷川智浩(24)もだめ押しの区間賞で、2位の日清食品グループに1分30秒差で快勝した。

 エースが流れをつくり、他チームが手薄となる区間で区間賞を量産する。駅伝の王道ともいえる勝ち方だった。

 今季から指揮を執る磯松大輔監督(39)は「7人が予定通り力を出し切れば優勝できると思っていた。その通りのレースができた」と満足した様子。唯一の不満は期待された新人の撹上宏光(23)と菊地賢人(23)がメンバー入りできなかったこと。「彼らが今日のメンバーを脅かすくらいにならないと、ニューイヤー駅伝の優勝は厳しくなる。チーム内の競争力を上げていきたい」

 “21世紀の駅伝王者”といわれたコニカミノルタだが、ニューイヤー駅伝は2008年の6回目の優勝を最後に勝てない時期が続いた。昨年の東日本大会は勝つことに固執して、その勢いをニューイヤー駅伝の5年ぶりの優勝に結びつけた。「去年は優勝を知る選手がほとんどいない状態で戦わないといけなかった。今年は選手たちも勝ち方がわかっている。残り2カ月間、私が言わなくても選手たちがやってくれると思う」

 磯松監督が課題に挙げた若手の突き上げができたとき、コニカミノルタの第二期黄金時代が到来する。