<陸上:東日本実業団対抗駅伝>◇3日◇さいたま市~熊谷スポーツ文化公園陸上競技場(7区間、77・5キロ)

 コニカミノルタが3時間44分45秒の大会新記録で2年連続7回目の優勝を飾った。2位に日清食品グループ、3位に富士通と続き、前回予選落ちを喫したヤクルトが4位と立て直してきた。廃部となったエスビー食品の選手を受け容れて初出場したDeNAが5位。13位の南陽市役所までが元旦のニューイヤー駅伝出場権を得た。

 2区(15・3キロ)のトップ争いが熾烈を極めた。佐藤悠基(26=日清食品グループ)と宇賀地強(26=コニカミノルタ)は8月のモスクワ世界陸上代表。そこに日本選手権5000メートル優勝の星創太(25=富士通)が加わって三つ巴の争いとなった。

 1区は富士通がトップに立ち、コニカミノルタが3秒差の2位。6秒後方でスタートした佐藤が1キロ付近で追いつき3人の先頭に立った。佐藤の駅伝でのポリシーは“自分の区間の勝敗よりも、後ろの区間を楽にさせる”。「今日も自分のペースで行きましたが、練習不足でいまひとつの状態。良ければ中盤でガンガン行けた」と悔しがった。

 佐藤が行ききれないと見るや宇賀地が前に出たが、宇賀地も行ききれない。「早い時点で差を開けたかったのですが、走り出したらそこまでの状態ではありませんでした。レベルの低い争いになってしまいましたが、最後だけはトップで渡したかった」

 星は3人のなかで1万メートルの持ち記録が唯一28分台。2人の27分ランナーの後ろにピッタリつく形で走った。「ギリギリの状態でしたが何とか食らいつくことができました。去年は(駒大で同学年だった)宇賀地に負けているので、最後は“今年は1位で渡す”という気持ちで粘りました」

 ラストのキレでは星が強く、同タイムながら宇賀地に胸ひとつ先着して3区に中継した。佐藤も2人から1秒後れで踏ん張った。区間賞は序盤で追い上げた佐藤が44分28秒の区間タイ記録で獲得し、2秒差で宇賀地が区間2位、5秒差の星が区間3位。

 佐藤も宇賀地も「会心の走りでなかった」と振り返ったが、2人の意識が高いことの裏返しでもある。3人の争いで4位以下を引き離した結果、3区で争った3チームが1~3位を占めた。