<九州実業団対抗駅伝>◇23日◇福岡市~北九州市(7区間=78・8キロ)

 16チームが参加して行われ、九電工が3時間50分36秒の大会新記録で20年ぶり3回目の優勝を飾った。3連勝中だった旭化成が1分12秒差で2位、新興勢力の黒崎播磨が3位。7位の西鉄までがニューイヤー駅伝(全日本実業団対抗駅伝)への出場権を得た。

 九電工は中盤の勝負区間である4区にモスクワ世界陸上マラソン代表だった前田和浩(32)を投入。区間賞の走りで2人を抜いてトップを奪った。続く5区はモスクワ世界陸上1万メートル銅メダルのポール・タヌイ(22)で、区間2位を40秒も引き離す快走。6区、7区も安定した走りで逃げ切った。

 20年前に選手として優勝を経験している綾部健二監督(45)は「長かったですね」と感慨をにじませた。「前田がやっと駅伝でも彼本来の力を発揮してくれた。他の選手たちも力を出し切った結果です」

 九州勢では旭化成とトヨタ自動車九州がニューイヤー駅伝の注目チームだったが、そこに九電工も加わってきた。「ニューイヤーの目標を3位以内と掲げてこの1年間取り組んできました。九州チャンピオンとして臨めるのは、良い弾みになります」。

 エースの前田は世界陸上にトラック(07年)とマラソン(09年、13年)で3回出場しているトップ選手だが、駅伝での快走は少なかった。モスクワでは17位と力を出し切れなかったが、「最後までやりきって悔いのない陸上人生にしたい」とリオ五輪に意欲を見せている。

 4連勝がかかっていた旭化成は1区で7位と出遅れ、6区の深津卓也(26)と7区の岩井勇輝(30)の連続区間賞で2位に上がるのがやっと。優勝争いには一度も加われない不本意な駅伝だった。

 前回のニューイヤー駅伝で2位と健闘したトヨタ自動車九州は、エースの今井正人(29)やキャプテンの渡辺竜二(25)ら主力4人を外して臨み4位だった。