シドニー五輪女子マラソン金メダリストの高橋尚子さん(42)が27日、東京・渋谷区立広尾小学校で行われたDeNAランニングクラブの陸上教室に参加した。

 同クラブは昨年9月から、使い古しのシューズを、素足での生活を余儀なくされているアフリカの子どもたちに贈ろうと、渋谷区内の小学校で教室を開講。児童たちから集まったシューズをケニアまで実際に足を運び、寄贈している。

 一方、高橋さんはこの運動を6年前から始め、毎年7月にケニアへ行き、実際に足のサイズを測り、一人ずつ渡している。DeNAからの協力依頼に賛同し、教室に参加。ケニアの貧困街の状況や、走ることの喜びを児童たちに、写真を手にしながら説明した。

 「ナイロビの高層ビルの真っただ中に、百数万人が暮らす(スラム)街があるんです。何年たっても、きれいにならない所で、私たちが入らないと変わらないと思って」と、きっかけを説明した高橋さん。シューズは「実際に売っちゃったりする人もいるそうです」と、心ない地元民に利用されることもあり、ケニア通いを続けている。「瀬古さんに声をかけていただいて、今日は楽しかったです」と“男女マラソン最強タッグ結成”を喜んでいた。