<ちばアクアラインマラソン>◇19日◇千葉県木更津市

 ハーフマラソンの部に出場した、アジア大会男子マラソン銅メダリスト川内優輝(27=埼玉県庁)が、1時間4分22秒で優勝した。

 2年前にはこの大会のフルマラソンの部で優勝。今回は、2週間後にニューヨークシティ・マラソンを控えることから調整の一環としてハーフマラソンに出場した。木更津市と川崎市にかかる「東京湾アクアライン」がコースの一部にかかるレースで、川内はすっかり景色を堪能。「最高でした。これほど楽しいコースはないんじゃないかな。すがすがしい気分です。風も2メートルぐらいで(レース中も)自分でも気持ち悪いと思うぐらい、ニヤニヤしながら走りました。楽しかったな~」と、16日前に韓国・仁川で流した悔し涙がウソのように、上機嫌で話した。

 「心が軽くなったからでしょうね」と、アジア大会の数カ月前から比べ、打って変わった饒舌ぶりの理由を、川内は明かした。アジア大会で優勝を逃し、来年の北京世界選手権への挑戦権を断念。しばらくは「日本代表」の肩書が外れ、重圧から解放されたことで、持ち前の明るさが戻った。表彰式では、50年前の東京五輪マラソンで優勝したアベベ・ビキラを冠した「アベベ杯」を授与され「100点満点以上の大会運営でした。これだけの、おもてなしの大会はない。千葉のすばらしさを世界中に発信してください」と絶叫調で語り、関係者を喜ばせていた。