<陸上:日本学生対校選手権>◇2日目◇10日◇東京・国立競技場

 「美女スプリンター」市川華菜(中京大4年)が、女子100メートルと400メートルリレーの2冠に輝いた。100メートルを11秒75で制して競技人生初の「日本一」を手にすると、続くリレーでもアンカーとして4人抜き。ロンドン五輪代表の貫禄を見せつけ、チームに18年ぶりの優勝をもたらした。男子100メートルは、同じく五輪代表の飯塚翔太(中大3年)が10秒71で初優勝した。

 市川の独壇場だった。400メートルリレー決勝。トップから約7メートル差の5番手でバトンを受けた。そこから一気に加速。驚異的な伸びで先行する4選手を抜き去り、45秒87の記録でゴールに飛び込んだ。「エンジンがかかった感じ。思った以上に力が出ました」。今夏ロンドンを走った。東京五輪以来、48年ぶりの女子400メートルリレーにアンカーで出場。決勝進出が期待されながら、予選であえなく散った。「もう1度オリンピックを走りたい。そのためにも、しっかり土台づくりの練習からやり直したい」。競技熱は以前よりも高まった。そんな変化を表すかのように自身初の「日本一」の称号。しかも1日で2つも手にした。人気先行だった美女スプリンターが、ひと皮むけた。