<陸上:日本学生対校選手権>◇最終日◇12日◇東京・国立競技場

 ロンドン五輪陸上女子400メートルリレー代表の「美女スプリンター」市川華菜(中京大4年)が、来季は400メートルに参戦する方向だ。

 市川は200メートル決勝を大会記録に100分の2秒と迫る23秒64で制し、100メートル、400メートルリレーに続く3冠達成。その1時間45分後の1600メートルリレー決勝にもアンカーで登場し、持ち前のロングスプリントで会場をわかせた。

 4番手でバトンを受けると、先行する選手を猛追。トップの東大阪大とは3秒以上あった差を1秒71差まで詰めての3位だった。夢の4冠はかなわず、「200メートルあたりで乳酸がたまり、太ももが張った。(レース後に)座り込んだら立てなくなった」。4日間ぶっ通しで走り続けた疲労から、最後に力尽きた。

 それでも400メートルのラップタイムは、非公式ながら予選に続く52秒2。ちなみに日本記録は51秒75(08年・丹野麻美)。リレーの場合、バトンパスの際に助走する優位性があるとはいえ、連戦で疲労し切った中で大きな可能性を見せつけた。市川は「ここまで100、200メートルを優先させてきたけど、自分の強みが出せるのは400メートルです」。来春は社会人となるが、世界舞台を見据え、400メートルに挑戦する考えをほのめかした。【佐藤隆志】