<ちばアクアラインマラソン>◇21日◇千葉・木更津市塩浜公園前~海ほたる~木更津市役所

 「公務員ランナー」川内優輝(25=埼玉県庁)が、青春ドラマさながらの熱い走りで、前代未聞のフルマラソン年間4勝目を挙げた。川内は2位に10分以上の大差をつけ、2時間17分48秒で優勝した。

 東京湾の高速道・アクアラインを封鎖する初のレースは、大会会長の森田健作・千葉県知事が「青春晴れ」と表現する、気温26度という季節外れの夏日。青春ドラマさながらの「太陽」「海」のキーワードの中、川内は誰よりも熱かった。5キロから独走。アクアラインに突入すると胸がときめいた。「目の前が大海原。楽しく、気分が乗って飛ばしすぎた」(川内)。太陽と海を独占する喜び。そのツケで終盤は足と手がしびれ、最後はフラフラになったが「これがマラソンの醍醐味(だいごみ)」と川内節をさく裂させた。

 昨年はマラソン5戦だったが、今年は2月の東京から既に7戦目。しかも8月の北海道、9月のシドニーに続き、3連勝だ。次は世界選手権出場をかけ、12月の福岡国際に挑む。川内は「これで4勝3敗。勝ち越して福岡に乗り込みたかった」。青春まっただ中の25歳は、どこまでも熱かった。【佐藤隆志】