新設されるディー・エヌ・エー(DeNA)陸上部の総監督に就任する瀬古利彦氏(56)が、東京が招致する20年五輪でのメダル獲得を目標に掲げた。瀬古氏は10日、東京・渋谷で行われた記者会見に出席。3月末で廃部するエスビー食品から選手とスタッフ計12人が移籍することが正式発表され、瀬古氏が新天地での意気込みを明かした。

 「3年でニューイヤー駅伝(全日本実業団駅伝)に優勝する」のが、DeNA側との約束。さらに「3年後の五輪に(マラソンで)選手を出し、20年の東京五輪では地の利を生かしてメダルを狙う」と宣言した。練習拠点は、本社のある渋谷に近い代々木公園などを予定。新たな取り組みとしてランニング教室の開催も挙げ「例えば週1回、ランニングを教えるのも社会貢献になる」と話した。

 現部員は6人、実業団駅伝出場には最低7人必要で「今はチームを作ることが先決。明日から動く」と瀬古氏。同時に来年以降の選手獲得も急務で、箱根駅伝で活躍した日体大の服部、東洋大の設楽兄弟らもターゲットになる。「DeNAさんには本当に、本当に、本当に感謝」と話した瀬古氏が、エスビー食品のDNAを引き継いで誕生するDeNAで「マラソンニッポン」復活を目指す。【荻島弘一】