“公務員ランナー”川内優輝(25=埼玉県庁)が次なる野望に「瀬古落とし」を掲げた。2時間8分15秒の大会新記録で優勝した別府大分毎日(別大)マラソンから一夜明けた4日、大分市内で会見。常々、金言をもらう瀬古利彦氏(56)の持つ2時間8分27秒(86年シカゴ)超えを「うれしい」と話し「(現在20位の)瀬古さんの記録を(日本男子マラソン)50傑から外したい」と息巻いた。外すには他の選手の協力も必要だが、尊敬する人物だけに口も滑らか?

 になった。

 実業団に属さないなど独自の調整法に、瀬古氏からは度々アドバイスをもらってきた。その瀬古氏が総監督に就任するDeNA陸上部の勧誘を「従うつもりはありません」と拒否した経緯もある。そんな中、堂々と歯向かう形で「瀬古さんは偉大だが、市民ランナーがその記録を抜いたのは画期的」と誇った。

 今後の課題も明確に持つ。8月のモスクワ世界陸上は、内定基準をクリアできなかったが、代表選出はほぼ確実。別大は体重約62キロで出走したが「もう少し絞れる」と61キロを目標に掲げた。モスクワの前に次走は3月17日のソウル国際を予定。「ソウルで7分台が出せれば、五輪で戦える」。進化を遂げるその目は3年後、リオデジャネイロを見据える。【実藤健一】