日本女子マラソン界のエースで09年世界選手権銀メダルの尾崎好美(31=第一生命)が、24日の東京マラソンを最後に無期限の長期休養に入ることが16日、分かった。昨年のロンドン五輪で19位の尾崎は「五輪の後、大きな目標が見つからず、練習していても気持ちが持たなくなった」と説明。このまま第一線から退く可能性が出てきた。

 昨秋以降は練習もままならず、エースながらチームの駅伝メンバーからも外れた。悩み抜いた結果、3月限りでいったん陸上部から退部することを決断。ただ第一生命には残り、ランニングイベントなどで活動していく。ここまで13年間指導してきた山下佐知子監督は「すぐに引退というものではない。まずは休養するが、やる気が出れば、復帰する可能性がある。その可能性は残しておきたい」と、今後もサポートしていく考えを示した。

 尾崎は初マラソンだった08年の名古屋国際で2位になって頭角を現し、同年の東京国際を自己最高の2時間23分30秒で制した。マラソン全9戦で優勝2回、2位4回と安定感を誇り、昨年のロンドン五輪でもメダルが期待された。

 自身10回目のマラソンとなる東京に向けては、体調面の不安もなく、順調に仕上がった。その“ラストラン”に注目が集まりそうだ。

 ◆尾崎好美(おざき・よしみ)1981年(昭56)7月1日生まれ、神奈川県足柄上郡山北町出身。山北中-相洋高を経て00年に第一生命入り。08年3月の名古屋国際女子で初マラソンで2位入賞。2度目となった同年11月の東京国際女子に2時間23分30秒の自己ベストで初優勝。09年8月の世界選手権(ベルリン)で銀メダル。154センチ、41キロ。