<世界トップへ挑む:上>

 5日に開催される陸上セイコーゴールデンGPの男子100メートルに注目の2人が登場だ。「世界最速ボーイ」桐生祥秀(よしひで=京都・洛南高3年)は、ジュニア世界タイ記録の10秒01をマークして絶好調。昨年のロンドン五輪代表で自己記録10秒07の江里口匡史(24=大阪ガス)も意地を見せる。日本人初の9秒台突入の瞬間を見逃すな。

 桐生が、再び男子100メートルのスタートラインに立つ。4月29日、織田記念国際(広島)で追い風0・9メートルの中、10秒01を記録した。日本歴代2位、ジュニア世界タイ記録、今季世界最高という驚異的な数字。それでも17歳は「最後で硬くなった。慣れだと思います。そうすればもっとタイムが出ると思います」と宣言した。衝撃的なスプリントから中5日、17歳の高校生に大きな期待が集まる。

 同レースでは自己ベスト9秒85を誇るマイケル・ロジャーズ(28=米国)ら9秒台の海外強豪ランナー3人と並んで走る。桐生にとって9秒台選手との対決は未知の世界。激しい競り合いが17歳の潜在能力を呼び覚ませば、10秒の壁をぶち破る可能性は十分にある。◆江里口はライバル登場喜ぶ

 江里口が、意地をさく裂させる。昨年ロンドン五輪にも出場した短距離界のエースだが、織田記念国際では17歳の桐生、20歳の山県に先手をとられて、3位だった。予選で10秒01、決勝で10秒03をマークした桐生について「17歳とは思えない。国内でこんな強い選手がいる。目標とするライバルがいるのはうれしい」。

 日本選手権4連覇中と、第一線で男子100メートルを引っ張ってきた。ここに来て、年下の10秒0台ランナーが台頭してきたが、逆に闘争心を燃やしている。「これぐらいの差だったらどうしようもなくはない。最高速度に持って行くまでの差。僕もそこができたら(10秒)0台に踏み込める」と口にした。江里口はエースの走りを披露する構えだ。◆セイコーゴールデンGP観戦ガイド▽日時

 5月5日(日)午前9時30分開場、同10時30分サブイベント開始、午後0時35分競技開始▽会場

 国立競技場▽入場料

 カテゴリー(1)一般3000円、中高校生2000円。※前売り券はプログラム付き。各エリア内自由席。小学生未満無料。▽大会HP

 http://goldengrandprix-japan.com