為末がスポーツの見方を変える!

 本紙の人気連載「爲末大学」を執筆する為末大氏(35)が、陸上の世界選手権(8月10~18日、モスクワ)を中継するTBSの「世界陸上SNSプロデューサー」に就任することになった。SNS(ソーシャルネットワーキングサービス)とは、人と人とのつながりを促進するコミュニティー型ウェブサイトの総称。世界選手権の男子400メートル障害で2度の銅メダルに輝いた同氏が、現地からテレビ中継に出演するほか番組公式サイト、自身の公式ツイッター&フェイスブックを絡めて、大会の盛り上げに一役買う。

 09年の大邱大会で、為末氏の「つぶやき中継」が評判になった経緯もあり、今回は公式コンテンツとして大展開。さらに自身で撮影した写真をフェイスブックにアップする。中でも目玉となるのが出演する番組内において、ツイッターで寄せられた質問や意見に対し、為末氏自身が答えていくというもの。お茶の間の視聴者が参加できる形で、番組が進められる。従来のスポーツ中継では、配信する側が一方的に視聴者に提供するものだったが、そこへ新たな一石を投じた格好だ。

 為末氏は「SNSの登場で自ら発信し、反応が返ってくることの面白さに目覚めた。もう情報はどこかから一方的に発信されるものではなく、あちこちでインタラクティブ(対話型)に行き来するものになりつつある」と言う。世界記録保持者ボルトのいる男子100メートルには9秒台の期待がかかる桐生祥秀(京都・洛南高)も出場するなど、今回の大会は注目度が高い。その裏側を、為末氏がどこまでもリアルに伝えていく。