DeNAランニングクラブの瀬古利彦総監督(57)が、公務員ランナー川内優輝(26=埼玉県庁)に思いを託した。同クラブは18日、チーム発足後初のランニング教室を都内で開催。「楽しみながら走りましょう」と和やかムードを演出する一方、8月10日開幕の世界選手権モスクワ大会に臨む川内に「僕らの分も頑張ってほしい」と話した。

 瀬古総監督は80年モスクワ五輪代表になりながら、東西冷戦のあおりでボイコットを強いられた。「出ていれば(日本代表)3人の誰かが金メダルをとっていたはず」。モスクワ旅行の際、米国の方向に向かって「バカヤローと叫びましたよ」と冗談交じりに話す。

 代表決定時に川内は「宗さんや瀬古さんら先人の悔しさを晴らさないといけない」と話した。「そう言ってくれるのはうれしいね。その気持ちがある人は(結果を残すように)走ると思うよ」と同監督。熱い思いを胸に、市民ランナーを引き連れ、渋谷・宇田川町の繁華街からスペイン坂を通り代々木公園へ向かった。