陸上男子100メートルの現役最速男・桐生祥秀(京都・洛南高3年)に“水陸両用英才教育”が施される。桐生は2日、都内でナショナルリレーチーム発足会見に出席。桐生同様、来春から東洋大陸上部コーチに就任する土江寛裕・日本陸連男子短距離副部長(39)が、育成方針を明かした。

 東洋大に進む桐生について同副部長は「陸上部の拠点は(埼玉)川越。今のところ桐生も入ります」と説明。昨年と今年に新調された寮や競技場を見学した桐生も「芝生と土もきれいで大きい」と話す。だがこれだけでは終わらない。

 東京・板橋区に11年春、東洋大総合スポーツセンターが完成。選手寮や地下に競泳用プールもあり、昨春には萩野公介らが入学。北島康介らを育てた平井伯昌氏を監督に招いた。「水泳の肩の動かし方は参考になる。平井さんとも交流しようと思う」と同副部長。

 さらに「(川越寮は)朝起きたら目の前が陸上競技場。リラックスも必要だし桐生が入学する法学部の授業は白山(都内文京区)。毎日、満員電車というのも…」と住居は柔軟に対応するようだ。「世界と戦う姿勢を聞いてみたい」と桐生。住居も練習も「二刀流」に構え春を迎える。【渡辺佳彦】