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 ニューイヤー駅伝は1月1日、群馬県庁前発着の7区間100キロで行われる。3連覇の期待がかかるコニカミノルタは、各チームのエースが投入される最長4区(22・0キロ)の起用選手が注目される。

 昨年、一昨年はエースの宇賀地強(27)が区間2位、3位で走って2連勝してきたが、磯松大輔監督は「宇賀地は主要区間は走らせない」と明言している。宇賀地は昨年のモスクワ世界陸上1万メートルで、日本人最高の15位と快走した。目下マラソンに移行中で、12月7日の福岡国際マラソンに出場し2時間10分50秒で9位の走りを見せた。エース同士がしのぎを削る4区で無理をさせたら、故障につながるおそれもある。

 4区候補は新人の設楽啓太(23)と2年目の菊地賢人(24)の2人だ。設楽啓は1年前の箱根駅伝で山登りの5区を任されて区間賞の快走。東洋大の優勝に貢献した。新人ながら強豪コニカミノルタのエース候補と目された。しかしシーズン前半にポスト宇賀地の名乗りを挙げたのは菊地だった。昨年のニューイヤー駅伝の祝勝会で「今年は宇賀地さんを超えます!」と挨拶。その言葉通り、3月の世界ハーフマラソンでは、同じレースに出た村山謙太(駒大4年)ら学生勢を抑えて18位の健闘を見せた。ロードだけでなく、6月の日本選手権5000メートルでも3位とトラックでも日本のトップレベルに達している。

 それに対して設楽啓はアジア大会代表を狙った日本選手権1万メートルで16位と出遅れた。しかし秋になって調子を上げてきた。ニューイヤー駅伝の予選会である11月3日の東日本実業団駅伝では最長区間の2区15・3キロを走ってで区間賞と大会の優秀選手賞を獲得。同30日の記録会の1万メートルでは、日本のトップランナーの証である27分台をマークした。

 菊地は「宇賀地さんが走っても、自分がエース区間を走るつもりでやってきた」と言えば、設楽啓も「これからは自分がエースとして走って優勝に貢献したい」ときっぱり。ライバル意識むき出しの2人が4区の出走権を争う。宇賀地がマラソンにシフトできたのは、後継者がしっかりと育っているからでもあるのだ。

 2年前の優勝時は後半の3区間で、前回も後半2区間でコニカミノルタは区間賞を取っている。選手層の厚さと、駅伝にピークを合わせる磯松監督の手腕は確かだ。宇賀地も6区か7区の区間賞候補として登場するだろう。そうなるとやはり、4区の出来が勝敗に大きく影響する。エース区間で日清食品グループに後れを取らなければ、コニカミノルタの3連覇が見えてくる。