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 ニューイヤー駅伝は1月1日、群馬県庁前発着の7区間100キロで行われる。トヨタ自動車は3本の矢ならぬ“4本の柱”で2強(日清食品グループとコニカミノルタ)に宣戦布告する。

 トヨタ自動車の誇る4本柱は宮脇千博(23)、大石港与(26)、早川翼(24)、そして新人の窪田忍(23)だ。宮脇は前回大会で4区の区間賞を獲得した実力者。大石は日本選手権1万メートルで3位となり、11月の国際千葉駅伝でも5区を走って日本の5年ぶりの優勝に貢献した。早川は全日本実業団1万メートルで日本人1位。そして駒大出の新人・窪田は11月の記録会1万メートルで27分台突入となる27分54秒25の自己ベストをマークした。

 4人が順調なら2強に食い込む力は十分にあるがが、エース格の宮脇が故障による練習不足から、11月16日に行われた中部予選ではBチームに回る事態となった。11月の1万メートルでは29分30秒もかかり「自分がチームの足を引っ張っている」と責任を感じている。

 しかし、それをカバーしているのが大石の安定した強さと窪田の成長だ。大石は前回まで2年連続5区で区間4位と2位。中部予選は「チームを支えたい」と、最長の4区16・6キロを走って区間2位と役割を果たした。窪田は27分台を出したレースで、一緒に走った同学年の設楽兄弟に勝った。強力ルーキーたちの中ではロード型と見られていた窪田だが、設楽兄弟に勝ったことでスピード面も進化されていることを証明。これは駅伝でも強力な武器となる。

 2人とも、エース区間を走る覚悟はできている。窪田が「4区を走りたい気持ちもあるし、走るからには他の選手には負けない」と話せば、先輩の大石も「4区を走る心の準備はできています」と本番をにらむ。

 3区、1区、4区と3年連続区間賞で走っているエースの宮脇は「残りの期間、ただただあきらめずにやっていくだけです」と前を向いた。宮脇が復調すれば、トヨタの4年ぶりのV奪回が現実味を帯びてくる。