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やり投げメダリスト村上進化見せる

左から塚原直貴、ゲイ、村上幸史、フェリックス、福島千里
左から塚原直貴、ゲイ、村上幸史、フェリックス、福島千里

 8月の世界選手権(ベルリン)男子やり投げ銅メダリスト村上幸史(29=スズキ)が、23日のスーパー陸上(等々力)で凱旋(がいせん)する。22日の前日会見では、自己ベスト83メートル10を上回る85メートルを目標に掲げた。これまでより、やりが高い軌道を描く新投法を身につけ、技術の安定により週3、4回の投げ込みも可能になった。日本初のやり投げメダリストは、進化した投てきを日本のファンの前で披露する。

 メダリストの自覚が、村上に芽生え始めた。試合前日の記者会見は、ゲイや塚原ら短距離勢より先に、単独で行われた。

 村上 メダリストとしての試合をしなきゃいけないと思っている。ベルリンでは、日本の投てきも通用すると証明できた。お客さんにも、しっかりやれるんだという気持ちにさせる投てきをしたい。

 世界選手権の予選で、83メートル10を投げた。自己ベスト更新は5年ぶりで、一気に1メートル39も上回った。今大会には、87メートル23の記録を持つウィルッカラ(フィンランド)が参戦する。

 村上 僕より実力は上。その選手と勝負したい。記録は85メートル以上をずっと目標にしてきた。それ以上を狙っていきたいです。

 ベルリンから帰国後、高校時代から指導を受ける浜元コーチがいる地元・愛媛で、約2週間の合宿を行った。そこで、2つの進化を遂げた。

  (1)投てき角度 村上のやりは、ライナー性の低空飛行が持ち味だった。風に影響されないが、無風の場合はさらに高い投てきが必要になる。村上は「練習では、今まで以上に高い軌道になった。今の推進力が変わらずに、やりが上がらないと、80メートル後半は難しいと思う」と説明した。

  (2)投げ込み頻度 以前は、やりを投げ込む練習は多くて週に2度だった。ベルリンから帰国後は、3、4回も投げ込めるようになった。浜元コーチからは「投げ込みができるのは、技術的に(体に)負担が掛からないからだ」と指摘されたという。無理なく正確な動きが身につき、相乗効果が生まれた。

 メダルがきっかけで覚醒し、今は溝口和洋の日本記録87メートル60さえも口にできるようになった。

 村上 これまでは雲の上の記録だったけど、初めて意識するようになった。これを目標にしていかないと、今後もメダル圏内には入れない。まずは、85メートルを投げる技術を身につけたい。

 世界選手権は、有力選手の失速に助けられた面もある。だが、それだけで、メダルが取れたわけでもない。今日の投てきで、世界トップレベルの実力を証明するつもりだ。【佐々木一郎】

 [2009年9月23日8時19分 紙面から]


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