<全国高校総体:陸上>◇1日◇大分銀行ドーム◇女子円盤投げ

 寺井沙希(帯広農3年)が44メートル43で優勝した。北海道勢の同種目での優勝は、8年ぶり3人目。「記録より優勝を目指したので、勝てて良かった。誰よりも練習してきた自信があったので」と金メダルを首から下げ、トロフィー片手に胸を張った。

 土壇場からの逆転だった。3位で迎えた最後の6投目。今季高校生ランキング1位は、そこでは終わらなかった。「3年間の思いを込めてぶん投げました」と、それまでトップの記録を39センチ上回った。残る2人の投てきを見つめ、優勝が決まると、スタンドで応援していた帯広農メンバーに向かって手を振って喜んだ。「絶対勝てると信じていました。最後は気持ちです」。道予選でも最終投てきで道高校記録48メートル07をたたき出した。全国の大舞台でも気持ちの強さが光った。

 授業中でも、頭の中から競技のことは離れない。酪農実習で牛の世話をした時も、小麦の収穫をした時も、常にトレーニングを意識したという。「下半身強化になったかもしれませんね」と笑った。そんな意識の高さも急成長につながっている。

 次に狙うのは日本高校記録50メートル61超えだ。円盤投げの次戦は国体道予選か日・中・韓ジュニア交流陸上の予定。「48メートル07がマグレじゃないと見せたい」。日本一の称号を手に入れた寺井は、さらなる飛躍を誓った。【保坂果那】

 ◆寺井沙希(てらい・さき)1995年(平7)11月12日、小樽市生まれ。札幌平岡中1年で陸上を始める。円盤投げを始めたのは中学3年。中学3年でジュニア五輪4位。昨年の全国高校総体は予選敗退。171センチ、67キロ。家族は両親と姉。