財政再建に取り組む北海道夕張市の林道で排水溝のふた46枚が盗まれた事件で、ふた製造販売業「石田鉄工」(三重県木曽岬町)が10日、ふたの寄贈を申し出た。

 この林道は10月31日の自動車レース「ラリージャパン」(WRC第14戦)の競技ルートになっており、市は想定外の盗難に頭を抱えていたが、申し出を受け「ホッ」と胸をなで下ろしている。

 市によると、同社は開催までにふたを納品、盗難防止のため特別加工も施す。寄贈によりレースに影響は出ないという。

 同社は「夕張の工場でふたを作っていることもあり、この際夕張を助けたいと思った」と説明。市は「厳しい財政の中、こうした好意はありがたい」と歓迎している。