スズキは15日、08年に本格参戦した自動車の世界ラリー選手権(WRC)の活動を09年から休止すると発表。再開時期は未定で、チームは解散も含めて検討する。スズキはWRC参戦の関連経費を公表していないが、数十億円規模とみられる。景気悪化で自動車販売台数が低迷する中、スズキは減産や人員削減を進めており、環境対応車の開発や生産体制の強化などに経営資源を振り向けるという。

 スズキは、オートバイの世界選手権シリーズ最高峰クラスのモトGPなどへの参戦は続ける。WRCに参戦している富士重工業は「休止を含めたあらゆる選択肢を考えており、近く決定する」とコメント、取りやめの検討に入ったことを明らかにした。ホンダのF1シリーズ撤退に続くスズキのWRC休止で、モータースポーツ活動を縮小する動きは今後も広がりそうだ。

 スズキはWRCに小型車「SX4」で参加し、08年は2人のドライバーが15戦すべてに出場し、2人で入賞は計9回。北海道で10月末から開催されたラリージャパンと英国でのウェールズ・ラリーでそれぞれ5位となったのが、最高順位だった。スズキのWRC活動に携わる技術者らスタッフは、国内外に計約100人いるという