錦織の活躍で活況だった日本男子テニスに、とんでもない不祥事が勃発した。09年全日本選手権ベスト4で、16歳以下の国別対抗戦ジュニア・デ杯で錦織圭とダブルスを組んだこともある三橋淳(27)が八百長などを持ち掛けた不正で、テニス界から永久追放された。テニスの不正監視団体TIUが16日、罰金5万ドル(約550万円)とともに処分を発表した。TIUが日本選手を処分したのは初めて。

 日本テニス史にも残る、あまりにも目に余る不祥事だ。TIUによると、三橋は15年11月に南アフリカで開かれたツアー下部大会で、自身がコーチを務めた選手を通じ、他の選手にシングルスは2000ドル(約22万円)、ダブルスは600ドル(約6万6000円)で負けるように持ち掛けたという。

 同年12月のナイジェリアで開かれたツアー下部大会では、直接、選手に八百長を持ち掛けたことが、TIUの調査で分かっている。さらに三橋は同年10月から11月にかけて約1カ月で、禁止されているスポーツ賭博に76回も参加していたことも明らかになった。

 TIUは再三、話し合いの場を持つよう要求し、不正行為を是正するよう勧告したが、三橋はこれらすべてを拒否。今回のような処分が科される場合、選手には弁明の機会が与えられるが、それも放棄したと見なされ、過去でも最悪に近い“一発退場”。永久追放という厳しい処罰となった。