日大27年ぶりの歓喜は、1年生カルテットが引き寄せた。0-7の第1Q12分36秒に、QB林大希(1年=大正)がWR林裕嗣(1年=佼成学園)に39ヤードのTDパスを通し、反撃を開始。6-10の第2Q13分47秒にはRB宋旻宰(1年=日大豊山)が16ヤードを走って逆転TDを決め、第3Q3分にRB川上理宇(1年=佼成学園)のTDで勝利を呼び込んだ。

 全3TDに1年4人が絡んだ。QB林大はランでチームトップの113ヤード、パスで126ヤードを稼ぎ、大会史上初めて1年でミルズ杯(年間最優秀選手)を手にした。「周りのおかげで自分らしいプレーができました。落ち着いてやれた。関学は1人1人が力も強くて、体もでかく、気迫が伝わってきましたけど」と声を弾ませた。

 90年以来の21度目の甲子園ボウル制覇だ。内田正人監督(62)は優勝インタビューで「27年ぶりですね?」と振られて「…そうですね…」と声を詰まらせた。「選手は落ち着いてやってくれた。ウチの選手に誇りを持ってやってますから」という言葉も、おえつ混じりで時々裏返る。06年に他界した名将・篠竹幹夫元監督の下で選手として4年、コーチとして25年の教えを受けた。「私にとって監督は篠竹監督だけ。今も一コーチのつもり」という指揮官は「(27年も待たせて)申し訳ありませんとしか言えません」と笑った。