<フィギュアスケート:グランプリシリーズ第5戦・フランス杯>◇第1日◇21日◇フランス・ボルドー

 町田樹(関大)はショートプログラム(SP)で88・70点の2位につけた。

 情感あふれる演技が終盤に差し掛かったとき、町田は体に思わぬ異変を感じた。気持ちとは裏腹に最後までスタミナが持たず、見せ場となるはずだったステップからの3回転ルッツの着氷が乱れて氷に片手をついた。「脚と肺、両方にきちゃって。本当に息も絶え絶えという感じだった」と悔しさを隠さなかった。

 冒頭で4回転-3回転の連続トーループを決め、続くトリプルアクセル(3回転半ジャンプ)も成功したところまでは「すべて順調だった」。全身で訴えるように「バイオリンと管弦楽のための幻想曲」を演じた。だが思わぬ落とし穴が待っていた。「きょうの行動をしっかり振り返り、なぜこうなったか分析したい」と反省した。

 現地入りしたのは2日前。時差ぼけとは別に、思い当たる節があった。この日の午前中、必勝祈願のため教会に向かい、道に迷った。「想定より2倍歩いた。ボルドーの街を散策しすぎたかな」と冗談めかした。