<テニス:ウィンブルドン選手権>◇最終日◇5日◇ロンドン郊外・オールイングランド・クラブ

 ロジャー・フェデラー(27=スイス)が、4時間18分の死闘を制し、2年ぶり6度目の優勝を遂げた。初優勝を狙ったアンディ・ロディック(26=米国)に5-7、7-6、7-6、3-6、16-14で競り勝ち、4大大会通算15度目の優勝でピート・サンプラス(米国)の14度を抜く、男子歴代単独1位の偉業となった。1試合77ゲームは4大大会決勝の史上最多となるなど、昨年のナダル(スペイン)との決勝に続く記録ずくめの試合だった。6日発表の最新世界ランクでは約11カ月ぶりに1位に返り咲いた。

 ロディックのフォアがコートを割ると、日が傾きかけたセンターコートで、フェデラーは芝の上で何度も跳びはねた。「信じられない戦いだった。本当にうれしいし、満足している」。果てしなくサービスキープが続き、4大大会決勝で史上最長の最終セットは30ゲーム、1時間35分にも及んだ。1試合77ゲームは決勝史上最多で、4時間48分の昨年のナダルとの一戦に匹敵する戦いだった。

 過去18勝2敗。4大大会決勝で過去3戦3勝の相手に苦しんだ。歴代最速の時速249・5キロの記録を持つサーブに手を焼き、計6度のブレークチャンスをことごとく逃した。「残念ながら必ず試合には勝者と敗者がいる。去年、僕はつらい思いをした」。途中、ナダルに6連覇を阻まれた1年前が、頭をよぎったという。しかし、77ゲーム目に初めてロディックのサーブを破って死闘に終止符を打った。

 「本当に難しい試合だった。その分、満足感が大きい」。カギは第2セットのタイブレークだった。2-6で4本連続のセットポイントをロディックに握られた。落とせば、セット0-2の大ピンチだ。しかし、驚異の集中力で6点を連取した。「ラッキーだった。本当にわずかの差だった」。第2セットを奪い返して窮地を脱した。

 ロイヤルボックスで観戦した4大大会優勝14度のサンプラス氏は「18、19勝はいける。自分の基準では彼が史上最高の選手だ」と脱帽。4大大会を11度制覇したビョルン・ボルグ氏(スウェーデン)は「最低3年はプレーできる。あと数回優勝を積み重ねるだろう」と、記録更新を予測した。フェデラーは「ウィンブルドンが会場となる12年のロンドン五輪出場を考えている」と宣言し「夏には(第1子となる)子供が生まれる。まだまだ続けるよ」と笑った。史上最高の選手として、まだまだ輝き続けるに違いない。