<全道高校駅伝>◇23日◇札幌・真駒内豊平川河川敷ハーフマラソンコース(札幌・真駒内セキスイハイムスタジアム発着)

 男子は室蘭大谷が2時間10分40秒で4連覇を狙う札幌山の手を22秒差で退け、7年ぶり13度目の優勝を果たした。女子は札幌静修が1時間14分37秒で2年連続4度目の優勝。男子は記念大会のため室蘭大谷、札幌山の手の2校、女子は札幌静修が12月20日、京都・西京極陸上競技場発着で行われる全国大会に出場する。

 アンカー太田がトップでゴールすると、13人の男子部員が工藤裕之監督(60)を胴上げした。男子の室蘭大谷は過去5連覇を達成するなど強さを誇っていたが、札幌山の手、恵庭南の台頭でここ6年は2位に甘んじてきた。工藤監督は「ホントに長かった。一生の思い出になります」と、喜びをかみしめながら話した。

 勝利を支えたのは3年生の踏ん張りだった。1区広川、3区後藤、6区八熊と要所に3年生が入り、2区丸尾、5区吉富、7区太田と経験の少ない1年生3人を上級生がサポートする構成にした。計算通り、1区広川は1位でいい流れを作った。22秒差2位で受けた3区後藤主将は逆転してつないだ。6区八熊は12秒差を35秒差に広げて1年生アンカーに。「1年生を楽に走らせたかった」と、3年生の冷静な力走が復活優勝に導いた。

 37年間、長距離部を指導する工藤監督は11日に60歳となり、還暦を迎えた。監督業は当面、続けるが節目の年にうれしい優勝となった。これまで同校は全国15位が最高。「1、2年生が力をつけて行けば…」と、都大路でのもう1つの還暦祝いを楽しみにしている。【中尾猛】