レラカムイ北海道は9日、全日本総合バスケットボール選手権準決勝(東京・代々木)の日立戦に臨む。ガードの松井啓十郎(24)は4日の準々決勝東芝戦で左ほお骨を陥没骨折し、全治4~6週間と診断された。しかしチーム初の天皇杯獲得へ向け、負傷を押して強行出場する。

 チームは7日、札幌・クワザワ体育館で1時間半、日立戦に向けての最終確認を行った。フェースガードを着けた松井だが、軽快な動きをみせた。東芝戦の試合中、ディフェンスリバウンドの際にチームメート・テイトの左ヒジが顔面に入っての負傷。しかしその後、「ケガで気持ちが高ぶったんです」と7得点を挙げて勝利に貢献したように、不安は感じていない。

 練習では着けたフェースガードだが「死角ができるし、シュートの感覚が微妙にずれる」と日立戦では外して臨む予定。そんな姿勢に、東野監督は「怖がらずにプレーするところが持ち味」と全幅の信頼を寄せる。日立とは今季2勝2敗と勝機は十分。チーム初タイトルへ向け、松井は「天皇杯の重みが実感としてわかないけど、勝ちにいく。注意するのはテイトのヒジだけですよ」と笑った。【中尾猛】