<テニス:ウィンブルドン選手権>◇第4日◇27日◇ロンドン・オールイングランド・クラブ
世界84位で42歳9カ月のクルム伊達公子(エステティックTBC)が、また歴史を塗り替えた。同87位のアレクサンドラ・カダントゥ(23)に6-4、7-5の1時間25分でストレート勝ち。68年オープン化(プロ解禁)以来、女子では大会最年長での3回戦進出。
10回目の「カモーン!」が、緑の芝の上で会場中に響いた。初のマッチポイントで相手のフォアがアウトになると、クルム伊達は、力強く右手の拳を突き上げた。初戦で完勝した時は「自分自身でも驚いている」と話したが、42歳での3回戦進出で、世界を驚かせた。
最初は相手の粘りに、ショットが決まらない。第6ゲームでサービスゲームを落とすと2-4とリードを奪われた。しかし、続く第7ゲームを奪い返すと流れが傾く。両セットとも、接戦を制し、歴史的な記録に結びつけた。
芝のシーズンが待ち遠しかった。短期決戦で、速い展開を得意とするクルム伊達にとって、弾みが低い芝はお手の物。粘りが必須で苦手な土のコートへの参戦は、今年は全仏1大会だけ。「早く芝のコートでプレーしたい」と話していた情熱が、この日も芝の上ではじけた。
初戦勝利の後は、韓国料理で祝杯を挙げた。試合期間中にアルコールを口にすることは少ないが、その日は「本当にうれしい」とマッコリで乾杯。前日は、練習相手が風邪をひき、トレーニングだけになるハプニングがあったが、その影響も全く感じさせなかった。
芝の季節を待ちわびていたように、今年は混合ダブルスにもエントリー。単複混合と全3種目に出場する。「一番勝ちたいのがウィンブルドン」。96年準決勝でグラフとフルセットを戦って以来の3回戦進出。17年の時を超え、42歳9カ月の最年長での3回戦進出を、テニスの聖地は温かく迎えた。【吉松忠弘】



